からだのブログ

五体満足に生まれてきたことに感謝してブログの名前を「からだ」にしました。

からだのブログ header image 2

自己責任で使用して下さい

7月 12th, 2009 · No Comments · softwares, thinking

Spybot っていうアプリを起動すると、タイトルバーにこの文字列が並んでいる。「自己責任で使用して下さい」

様々なフリーソフトでこういう文言をよく見かけるが、殊 Windows の多くのそれについていえば、なんかおかしくないだろうか。俺はおかしいと思うからこのエントリを書いているわけだが。

自己責任って何だろうってとこから話は始まるわけだが、俺の考える一番ぴったりの「自己責任」は投資の文脈で出てくる。ある投資対象 A があって、その A に関して必要な情報がもれなく開示されているときに、初めて投資家に自己責任が発生する。公表すべきことをしなかったり、偽ったりすれば訴訟になる。なぜなら、自己責任とは、自己がそこでどう行動すべきかの判断材料が揃っている、あるいはしようと思えばそれらを容易に揃えられる条件下においてのみ成立する。この他にも条件はあるが、とりあえず今回は言及しない。

で、話を戻すと、Windows の多くのフリーソフト、それはつまり広義のフリーソフトで、とどのつまり対価を要求しないソフトウェアについて話をする。

こうしたソフトウェアはソースコードを公開していない場合がほとんど。こうしたソフトウェアを使うことでどんな問題が起こるか、どう間違ったらその状態になるか、利用者は判断できるだろうか。開発者ならそのソフトウェアを使った上で、なんとなくやっていることの目星をつけ、どういうリスクがあるのか予想できることがあるかもしれない。しかし、一般的な利用者にそんなことができるだろうか。できるわけがない。ということは、そもそもそうした条件下で自己責任なるものが成立することもないわけだ。

言いたいことは、世間一般のフリーソフトでは自己責任が成立する要件が最初から満たされていないのだから、そういう文言を入れるのはやめようぜ、って話。対価を要求しないかわりに、何が起こって開発側は責任を負わない、と言えばいいのだ。それって別に利用者側が誰にも責任を問えないだけで、自己責任とは関係ないよね、って話。

ただし、ソースコードが自由に閲覧できる、狭義の、真の意味でのフリーソフトについて言えば、利用者の自己責任論は展開可能かもしれない。ただ、ここでも最初に「言及しない」とした他の条件に着目しないといけないわけだが。面倒なのでこれくらいで。

Tags: