からだのブログ

五体満足に生まれてきたことに感謝してブログの名前を「からだ」にしました。

からだのブログ header image 2

星を継ぐもの

12月 28th, 2010 · 3 Comments · culture

「星を継ぐもの」を読んだ。

生物学者のオッサンが最後の最後で投げかけた疑問、

「起源を同じくするって言っても、 5 万年も別環境に隔離されたら、さすがに何か違いが出るんとちゃうん?」

ってのが、そこまで本作を読み進める中でずっと引っかかっていた疑問と一緒で、ちゃんとそれが解決されたので満足した。

今書いてて思ったんだけど、最初に地球にやってきたルナリアンは、どうして文字をどこかにやってしまったんだろう。つまり、地球にやってきた時点でルナリアン語とその文字を持っていたのに、なぜ現代のハントたちによって「古代文明」という形で観測される何かを何も残さなかったのか。例えば石版とか。

もし自分がルナリアンだったとしたら、遠い星から来たことを示す象形文字と一緒に、ルナリアン語をどこかに彫りまくると思う。かつて誰もしたことのない経験を通して地球にやって来て、なおもそこは氷河期という過酷な環境だった。ずっと死の危険と隣り合わせだったろう。物語の最初に月面で発見されたルナリアンが最期まで手記をしたためていたことを考えても、石版彫るしかねーっしょ、やっぱり。

もし我々が史実として考えるように、同時多発的に文字が発明されたのであれば、その一つが天変地異などによって丸ごと消えてもおかしいとは思えない。しかし、本作においては、ルナリアンは地球に降り立った時点で文字を獲得しており、そこから世界中に拡散していって我々ホモ・サピエンスになったってことになってる。だとしたら、古代文字の◯◯と似ている、みたいな描写が無いとおかしいことになるけど、そうしたものはない。

って、一瞬で感想書き終わるかと思ったら、結構書くことあったな。うん、十分に読み応えのある作品だった。

Tags: