からだのブログ

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タマネギと本質と

11月 14th, 2002 · No Comments · thinking

物事の本質はどこにあるか。デカルトの言葉「困難は分割せよ」は、困難な問題を解決するときにはまずその問題を切り離し可能な部分で切り離し、問題を一度に抱えきれるサイズにまでトップダウン的に分割していくことで、全体像を見ただけでは漠然としていた問題の本質や、その問題の解決の方法が見えてくるということを言っている。(ということにしてほしい。)
こうした漠然とした問題を分割していくプロセスは、同時に問題の中でもより本質的なことと、そうでないことをわけていくプロセスであるとも言える。これはアカデミックな世界でのみ行われる空虚な議論ではなく、私たちの日常の中の様々なところに見て取れる。
例えばそれは殻付きのクルミを食べるとき。例えばそれはオレンジを食べるとき。本質はそれらの殻や皮を剥いたところにある。
では、タマネギはどうだろう。タマネギは茶色の薄皮を剥がすと白い可食部分が出てくるが、これもまた同様に外側から剥いでいくことができる。
どんどん剥いでいくと、ついには最内核までたどりつき何も無くなってしまう。ここにきてタマネギの本質をさらけ出すために行われたはずの
こうした一連のプロセスが、実は本来タマネギの本質そのものであったそれらを切り離し、それが本質であることを不鮮明にしてしまう。
タマネギの本質が一番中にあることを信じて皮を剥き続ける人は実際にはいないだろうが、もっと複雑な問題を解決する場面においては、
知らずにタマネギの皮を剥き続けているような愚行によって、問題の本質を不鮮明にしていることは多々ある。
「困難は分割せよ」が物語る西洋発の問題解決のアプローチが現代の社会では主流になっているが、難解複雑に絡み合う問題の解決に対し、
こうしたアプローチだけが有効な方法かどうかもう一度考え直す必要がある。つーか、ネタだよ。

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