からだのブログ

五体満足に生まれてきたことに感謝してブログの名前を「からだ」にしました。

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コンテンツ破壊

2月 7th, 2003 · No Comments · tek, web

授業でFlashの演習をやっている。はっきり言っておくが、俺はFlashが嫌いだ。
俺がナローバンドユーザだから? Flashのデータはベクトルグラフィクス。作る人が作ればそんなに大きくはならない。よってこれは常にtrueではない。
俺のPCの処理能力が足りないから? 幸いにして俺のPCはよっぽどのことがない限りFlashムービーくらいスムーズに動いてくれる。これも違う。
Flashをサポートしている環境が限られているから? Macromediaによれば、Flash Playerは98%以上のインターネットユーザに普及しているらしい。
このことが本当だとしたら大した問題じゃない。社会に出回る出版物のほとんどに点字版がなくても、多くの人には大した問題じゃないのと同じ原理。
それじゃあどこが気に入らないのか。それはFlashがコンテンツ破壊をしているから。俺が適当に命名した言葉なんだけど、Flashがコンテンツ破壊をしていることが
俺にとって一番気に入らないのだ。
ここで少し話が逸れるが、コンテンツとメディアの関係について話したい。大昔、パブリッシングというのは紙でするものだった。コンテンツとメディアは
完全に密着し、その内容や見た目を少しでも変えたいと思ったら、そりゃまあ大変だったわけだ。しかし今は違う。Webにデジタルなデータとしてパブリッシングする
ことで、コンテンツはメディアを離れ、どんなふうにでも形を変えることができるようになったのだ。
では、ここで話を戻して、Flashの登場でコンテンツとメディアはどうなったか。Flash、厳密にはFlashPlyerはご存じの通り、メディア(swfファイル)から自由に
コンテンツを切り出したり、加工することが難しい。コンテンツとメディアが密接に関わっているから。インタラクティブだか何だか知らないが、結局のところ、
コンテンツの再利用性の面ではまた紙に逆戻りしたにも等しいのだ。
Flashは、手軽にアニメーションを楽しんだりするのには本当によくできたツールだ。しかし、アニメーションに使うのではなく、これを使って情報を発信しよう
と思っている人、特に見栄えを気にしがちな、企業のWebサイトを構築する際は、少し立ち止まってよく考えてほしい。本当にそこでFlashを使うべきなのかどうかを。

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